アニメ制作工程 |
作品の制作過程は、大きく分けると3つの工程に別れている。 企画書をもとに、スタッフ編成と制作のフローを確定し、脚本・設定・絵コンテなど制作に必要な各種設定など行う作業。 2.プロダクション 原画、動画、仕上げなどのアニメーションの作成作業。 アフレコ・BGM・効果音を加える音作業やVTR編集などの作業。 さらに詳細な工程を経て制作される。制作会社、作品に投入される各部門のスタッフ数、技術の進歩などにより役職名や工程の違いもあるが、企画から完成までの基本的な工程は以下の通りである[注 3]。 1.企画 作品の全体像、企画意図、セールスポイントなどが記述された企画書、パイロット版等をテレビ局や映画配給会社、制作費を受け持つスポンサーとなる会社に提出する。配信する側が採否を決定する。 2.スタッフ編成とワークフローの確定 配信が決まると 監督・シリーズ構成・脚本家・声優・アニメーター・作画監督・美術監督・色彩設定・撮影監督・音楽・音響監督・プロデューサー・キャラクターデザイン・メカデザイン・制作進行など主要なスタッフを選定する。 シリーズ構成は、脚本の監督的な仕事を担い、作品全体の構成を考えて、複数の脚本家にエピソードを配分していく。脚本が作品のイメージの逸脱、矛盾の発生などの問題をチェックする。 4.設定 脚本・原作・企画書を元にして、作品の主要な登場人物キャラクターデザインや舞台背景を設定する美術設定(美術監督)・メカデザイン(メカニカル設定)とクレジットされることが多い。 5.絵コンテ 監督、演出(プロデューサー)が脚本を絵として組み立てる作業。作品の内容の流れがコマ割りの絵で描かれる。これを元に原画作業が行われる。コマ割りの状況説明・カメラワーク・効果音など、セリフ、撮影のカットの秒数が指示される。 原画マン(原画家、原画担当者、レイアウトマン)と呼ばれる職制が担当する。絵コンテを元に完成画面を想定し背景の構図とキャラクターのレイアウト(画面構成)を作成する。原画作業もペンタブレットなどの進化で、デジタル制作に移行している。 演出(プロデューサー)は、レイアウトが絵コンテの内容、演出意図との差異を確認、修正指示を入れ作画監督に渡す。 作画監督は動きやキャラクターデザインを修正し、画面の統一を図る、作監修正と呼ばれる作業を行う。 7.動画 動画マンと呼ばれる職制が担当する。ラフに描かれた原画の清書作業を行い、原画の間の絵を描きおこし全ての動きを完成させる作業。中割りとも呼ばれる。 動画検査と呼ばれる職制が簡易撮影装置で動画をチェックし、修正を指示する。 原画と動画についてはアニメーターも参照。 8.仕上げ(色トレス、彩色、デジタル彩色) 色彩設定(色彩設計)の指示・動画に指定されている色指定の通りに着色する作業。 セルアニメ : 動画をトレスマシンでセルに転写して、セルの裏側に彩色を行う。セル画も参照。 デジタルアニメ : スキャナーで取り込み線をクリンナップ。影線やハイライト線を輪郭線とは別色でトレスする。影線などの不要な線は塗りつぶされ見えなくなる。この時点でオブジェクトに アンチエイリアスは、かかっていない(かかっていると色が塗れない)。 9.背景 美術監督は、背景設定となる美術ボードを制作する。原画で指定された背景設定に合わせて、背景スタッフが背景を作成する作業。デジタルアニメも背景は絵の具で仕上げが多かったが、デジタル制作の背景も増えている。 10.撮影 撮影監督が作業を監督し、仕上げと背景を組み合わせる工程。透過光、マルチプレーン・カメラ、多重露光などのエフェクト処理を加える。 セルアニメ : セル画と背景を撮影台にセットし1コマずつフィルム撮影する。 デジタルアニメ : 仕上げと背景を合成して映像データにする。アンチエイリアス処理がかけられる。 11.楽曲作成 様々な場面に合わせた楽曲BGMを作成する作業。 12.音作業 音響監督は、声優のキャスティングと演技指導、ダビングなどの音響演出を担当する。監督や演出(プロデューサー)などが参加する場合が多い。 撮影された映像に声優がアフレコ台本をもとに声を収録する作業。アフレコ演出と呼ばれる職制が演技指導を行う場合もある。 ダビング アフレコにBGMや演出に合わせた効果音を加える作業。 13.VTR編集 オープニング、エンディング、CM前後のアイキャッチを組み合わせて完成させる作業。オブジェクトの最終調整、色彩調整も行われる。 ただし諸事情により企画段階[14]もしくは制作途中で中止になることもあり[15]、中にはアフレコも終えた段階でお蔵入りになったケースもある[16]。稀に一度は中止にされた作品が時を経て再起動するケースもある[17]。 |
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